オリジナルの記事 - 2021年5月28日投稿
背景
macOS 11(Big Sure)は、Apple の OSの大規模アップデートとして注目されていました。他のソフトウェアの大規模更新と同様に、このアップデートにもいくつかの重要な変更がありました。最も大きな変更点の一つは、ハードウェア・ドライバとオペレーティングシステムとのインターフェースに関する全面的な見直しでした。すなわちシステム・エクステンション(KEXT)が廃止され、ドライバ・エクステンション(DEXT)が使用されるようになりました。
この新しいドライバーアーキテクチャにより、Plugable 社およびその他の多くの製造メーカーが USB イーサネット製品に採用していた ASIX 社製 AX88179 チップセットに、重大な互換性の問題が発生しました。具体的には、全く使用できなくなりました。
Plugable 社の該当製品には USB3-E1000 や USBC-E1000 アダプター などがあります。
このような製品は、ドライバの更新などに関してもプラグ&プレイで使用できることが当然だと、多くのユーザーは考えることでしょう。しかし実際にはイーサネット用デバイス・ドライバは非常に複雑であり、Apple 社の導入した新しい DEXT アーキテクチャとそれに必要な「コード署名プロセス」に基づいた、安定した新ドライバを構築することは、ASIX 社にとって簡単な作業ではありませんでした。
Plugable 社は当件について、ブログ記事として問題の詳細を2020年11月にすでに説明済みです。その時点でのベータ版ドライバーを掲載し、Dext 互換完全なドライバーパッケージについて、macOS ユーザーの方々へ可能な限りの追加情報を提供することを約束しました。 この数ヶ月間、私たちは ASIX 社と緊密に協力して、AX88179(USB 3.0/ USB-C イーサネット IC)搭載デバイス用の DriverKit 対応の実装バージョンを検証してきました。以下に、macOS 11 Big Sur 互換の ASIX 社製「DEXT 版ドライバー拡張 アプリケーション」を、インストール手順とともに掲載します。
全体的な機能としては、従来の「KEXT システム拡張版ドライバー」と同等のアップロード/ダウンロードのスループットを達成しています。また、システムカーネル外で動作する拡張機能に対する Apple の設計実装を活用し、(KEXT が従来引き起こしていたことのある)システム空間で動作するカーネルレベルの拡張機能による、システムハングアップ/ロックの可能性を低減(または除去)しています。 しかし、この DEXT 版ドライバーに問題が全くないというわけではありません。M1 Apple シリコンシステムでは、スリープ/スリープ解除(パワー・ナップ)の動作や、初期接続時に Wi-Fi を有効にして接続する必要がある特定のアプリケーション(Spotify など)について、いくつかの問題が確認されています。その他、追加の考慮点については、下記の FAQ を参照してください。
注意:ここに掲載しているドライバーは、Plugable USB3-E1000 および USBC-E1000 アダプターを使用して、Plugable 社内でテストされたものです。他社メーカー製のアダプターでこのドライバーを使用した際に問題が発生した場合は、そのアダプター製造元に問い合わせることをお勧めします。もし他の人の参考になると思う場合は、以下に体験談をコメントとして残していただければと思います。
Loading Comments