What is USB Power Delivery

USB PD 充電規格 USB(USB Power Delivery)は、フル装備のUSB-C ケーブル(最大 10Gbps のデータ転送と 100W PD 充電規格に対応した )を使用すれば最大で 100W までの安全かつ柔軟な充電が可能です。ただし、 USB-C またはThunderbolt 3 / 4 ポートに接続する必要があります。

さらに、USB PD に準拠しているノートパソコン、携帯電話、タブレット、その他の USB-C またはThunderbolt 3 / 4 対応デバイスであれば、1 つのパワフルな充電器があればすべてを充電できるようになります。

それだけではありません 

PD 充電規格 は、単に対応電力量が高いだけではありません。例えば自分の使用しているデバイスは、100W の大容量を必要としないとします。

USB PD 対応のデバイスは、充電が始まる前に必要な電力レベルについてシステムや充電器と交渉し、適切な充電を行えるようにします。USB 経由充電機能は、周辺機器のニーズの変化に応じて調整することが可能なのです。

電流方向も一方通行ではなくなりました。必要に応じ、デバイスと周辺機器のどちらもが、電力を供給することができるようになったのです。

では実際の例をみてみましょう

実際に必要ワット数が異なるノートパソコンが、 PD 充電規格に対応した機器によってどのように充電されるかを見てみましょう。だだしその前に、いくつかの混乱の元を解消する必要があります。お使いのコンピュータの最大充電レートだけが、実際の充電値に影響するのではないということです。

この記事は USB-C に関して述べているので、USB-C ポートを経由して充電をしたいというケースについて考えてみましょう。PC には一定数の電流対応の AC 電源アダプターが付属してきますが、PD 充電ではその電流より多かったり少なかったりする電力で、その PC に給電することができます。事実、Apple 社は 61W 対応および 96W 対応の USB-C 電源アダプタを販売しています。  

実際に、「Macbook M1 Pro 14 インチ」を Plugable TBT3-UDZ ドッキングステーション(96W充電対応、日本未発売)と Plugable UD-6950PDZ ドッキングステーション(60W充電対応)で充電してみました。その結果、次のようなことがわかりました。

USB PD 充電規格充電テスト1

USB Power Delivery Charge test 2

これらのテストを行ったときに、コンピューターには重い負荷がかかっていません。充電中にコンピュータを使えば使うほど、バッテリーをフル充電するのに時間がかかるためです。また、ビデオ編集のような電力を大量に消費する作業では、ノートパソコンに付属してきた AC アダプターよりも低いワット数の充電器を接続して使用すると、供給されるよりも多くの電力を消費していると気づくことがあるかもしれません。

結論としては、PC を常に机上で使用する場合は、1 本の USB ケーブルで接続するだけのシンプルなハブまたはドッキングステーションの利用を検討してください。そしてその場合に、どのくらいの速さで充電する必要があるのかなどの、自分自身の日々の使用状況について考えてみてください。規格に準拠した USB-C 充電器やドッキングステーションを使えば、ノートパソコンを安全かつ高速に充電することができます。ただし、費用の観点からは、より低いワット数対応の機器を使う方が安くあがります。

現状

USB ポート経由の小型電子機器の充電は、特に目新しいことではありません。USB は規格が作成された当時はデータ通信が主たる目的でしたが、初期世代の USB 規格でさえ、周辺機器が駆動するための、デバイス給電が可能でした。例えば USB 1.1 では 最大0.5W、 USB 2.0 で 2.5W の供給が可能です。(もし USB 標準規格や Thunderbolt の歴史について知りたい場合はこちらを参照してください。

充電に関しては、USB-IF による BC (Battery Charging)1.2 が登場するまでは USB-C ポートによる変動電力供給はできませんでした。しかも実際に供給できたのは、CDP(Charging Downstream Port:充電ダウンストリームポート)からの 7.5W まででした。

しかし USB-C とそれを有効活用した PD 充電規格が登場してから、充電はより柔軟性と拡張性を得ることになりました。PD 3.0 のフル機能に対応した USB-C ポートおよびケーブルを使用すれば、最大で 100W までの電力を要求したり供給することができるようになったからです。これにより、USB から充電できるのはスマートフォンのような低電力機器だけではなく、より多くの機器が対象となりました。

EPR 240W

100W でも充分、240W なら尚更

100W で充分に思う人も多いかもしれませんが、現実的にはそうではありません、100W では、より多くの電力を要求する機器、例えばゲーミングノート PC などでは不十分なのです。

2021年の USB 3.1 と USB PD Revision 3.1 EPR(Extended Power Range: 拡張電力範囲) 規格についての発表が、電力に関する製品の方向性を変えました。この EPR に対応した機器であれば、240Wという驚異的な電力を引き出せるようになるからです。これは、多くのハイエンドの(100W を超える電力が必要な)ノートパソコンを満足させるのに十分な電力です。(USB ERP についての詳細は、こちらを参照してください。)

この記事では、USB PD 充電規格に関してかなりハイレベルな情報を述べてきました。より詳細な情報が必要な方は USB.org(英語)をご参照ください。

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