結論
アクティブケーブルは、小さな電子チップを内蔵することでデータの転送可能距離を伸ばしています。パッシブケーブルにはこのための電子チップが内蔵されていません。
もうちょっと詳しく言えば
データケーブルは、その見た目に反して内部ではさまざまなことが行われています。電気的なデータはケーブルの中を流れていくにつれ、次第に信号としての整合性が低下していきます。そしてデータ転送速度が速ければ速いほど、その劣化も速くなります。Plugable Thunderbolt 3 ケーブル(パッシブタイプ)の場合、80cm の距離では 40Gbps でデータを転送できますが、2 m の Thunderbolt 3 ケーブル(パッシブタイプ)では 20Gbps のデータしか転送できません。
一つの例を挙げてみましょう。40Gbps のデータ や 8K ビデオ信号を、ノートパソコンから 2m 先のドッキングステーションまで伝送する必要があったとします。この場合パッシブタイプのケーブルでは実現できないため、アクティブタイプのケーブルが必要になります。「Plugable 2m アクティブ Thunderbolt 4 / USB4 ケーブル」の場合、データ経路中に「リタイマー(タイミング再設定)」と呼ばれるインテル製の特殊回路(チップセット)が搭載されていて、これが信号の整合性を維持するための中継基地として機能します。このおかげで、パッシブケーブルよりも 2 倍の長さのかつ 40 Gbps データ転送速度対応が実現できているのです。なお、アクティブタイプの Thunderbolt 3 ケーブルも販売されていますが、注意が必要です。こちらは通常 USB プロトコルへの後方互換性がなく、Thunderbolt 3 のデータしか伝送できないという欠点があるからです。アクティブケーブルが必要なケースにおいては、Thunderbolt 4 対応ケーブルを使用する方が汎用性があり、わかりやすく使いやすいといえるでしょう。
最新の高速データ転送プロトコルが登場するたびに、物理的なコード長がそれまでの規格よりも短くなっていることに気づいたことはありませんか? これまでの説明により、その理由がわかっていただけたと思います。
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