LG UltraFine 5K のような高画質な Thunderbolt 3 ディスプレイが話題になっていますが、これらのディスプレイを USB-C DisplayPort 代替モード、または Thunderbolt 3 ドッキングステーションを使って M1 Mac システムに接続する場合、いくつかの注意点があります。
ひとつ理解しておいていただきたいのは、Thunderbolt 3 によるグラフィック機能は、DisplayPort を使って外部モニター領域をサポートするということです。これらの形式での 5K モニター接続は、通常問題が生じることはありません。しかし、同じモニターを DisplayLink ベースのドッキングステーションやグラフィック変換アダプター経由で接続すると問題が生じます。現在のところ、DisplayLink アダプターやドッキングステーション から Thunderbolt 3 または 代替モード入力ポート(USB-C入力ポート)しかないモニターに接続する方法はありません。Thunderbolt 3(USB-C)から DP へのディスプレイケーブルのごく一部に両方向で動作するとされている製品もありますが、DisplayLink 機器はこのような両方向ケーブルに対応していません。
一方、別の考慮点として M1 Mac システムには外部モニター接続数に制限があります。具体的には、M1 Mac は、Thunderbolt または DP 代替モードによる外部モニターを 1 台しかサポートしていません。つまりM1 Mac では、通常の方法では 2 台以上の外部モニターを接続できません。
M1 Mac に複数のディスプレイを接続する方法を紹介した Plugable 社のビデオをご覧になった方は、なぜこのディスプレイで同じことができないのかと疑問に思われるかもしれません。 UD-3900PDZ(日本未発売)や UD-ULTC4Kのようなドッキングステーションには、M1 Mac への接続は 代替モードによるポートが 1つと、DisplayLink 技術を使用した 2 つのポートが搭載されています。Displaylink 技術は、コンピュータの CPU や GPU リソースを使用して、グラフィックデータを生成し、USB 3.0 ポートを経由して DisplayLink 変換アダプターに内蔵されたチップに送り、モニター上にその情報をレンダリングします。このプロセスは、M1 チップ搭載 Mac システムの外部モニター制限数を回避し、2 台目以降のモニターが接続できるようにするものです。ただし DisplayLink はビジネス用途のアプリケーションにとって非常に強力ですが、システムにネイティブレベルで直接接続されたモニターと比較すると、いくつかの制限があることにご注意ください。
この時点で、LG UltraFine 5K のような Thunderbolt 3 ディスプレイをM1 Mac に複数接続しようとしてもうまくいかない、という理由が分かったのではないでしょうか。
- LG UltraFine 5K のようなほとんどの Thunderbolt 3 モニターには、Thunderbolt 3 対応の USB-C 入力ポートしかありません。
- Mac M1 システムは、Thunderbolt または USB-C 代替モードを使用したモニターは 1 台までしか接続できないという制約があります。
- 現在のところ、DisplayLink 技術を使用したドッキングステーションやグラフィック変換アダプターと、Thunderbolt または DP 代替モード対応モニター(USB-C 入力ポート)接続用に使用できるケーブルはありません。
つまり、LG UltraFine 5K のような Thunderbolt 3 対応モニターは優れたモニターですが、USB-C ポートしか入力ポートがないモニターであるため、M1 Mac に接続する場合には最大で 1 台までしか接続できないのです。このようなモニターを M1 システム用に複数用意すると、無駄になってしまいます。
M1 システムに LG UltraFine 5K モニターを接続し、さらにモニターを追加接続したい場合は、「Thunderbolt 3(USB-C)ポート以外の、HDMI、DisplayPort、DVI、VGA入力ポートのあるモニター」を使用してください。これらのモニターであれば Plugable 社の DisplayLink ドッキングステーションまたはグラフィック変換アダプターを経由して、M1 Mac システムに 2 台目以降の外部モニターとして接続することができます。
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