USB-C ポートやコネクタを採用した周辺機器が日ごとに増えてきていますが、これは将来的に周辺機器の互換性が大幅に向上する可能性を示すものです。いずれにせよ、スマートフォン、コンピューター、その他の周辺機器を接続するために、同じ USB-C ケーブルを使うことができるならそれが一番賢い選択と言えるのではないでしょうか?
しかし、現在販売されている USB-C ケーブルには様々な差異があり、事前にある程度のリサーチをせずに、この夢のような「ユニバーサルな」接続性を享受することは叶いません。このブログ記事は、その差異の 1 つの要因である「USB-C ケーブル自身が対応している機能」についてご説明するものです。
USB-C ケーブルの様々な実装について
普通のユーザーである私たちは、あるケーブルの両端に USB-C コネクターがついていたら、それは USB-C ケーブルだと結論づけてしまいます。それは間違ってはいませんが、現実はもっと複雑です。これまで私たちは、ケーブルの両端が接続したシステムと機器のポートに合致して「物理的に接続ができ(かつ必要なドライバが機能していれば)」、両者は正しく機能するはずだと思ってしまうのが普通でした。USB-C 機器を使う場合には、残念ながらもはや事はそれほど単純ではありません。USB-C というのは「物理的な形状」と「通信タイプ」にすぎず、そのケーブルがどんな機能を持っていてどんな転送速度に対応できるのかは、見ただけでは全くわからないのです。
USB-C ケーブルは、下記の技術仕様に対応することができます。
1) USB 2.0 (480Mbps)
2) USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)
3) USB 3.2 Gen 2 (10Gbps)
4) Thunderbolt 3 (20Gbps)
5) Thunderbolt 3 (40Gbps)
6) USB4 Gen 2 (20Gbps)*
7) USB4 Gen 3 (40Gbps)*
*Updated as of 2021
上記以外にも「電気的にマークされれているか」つまり「e-Marker と呼ばれる極小さな電子チップを内蔵しているかどうか」という差もありまます。もし e-Marker が内蔵されていれば、ケーブルによって USB ホストと周辺機器が接続された機器間で、3A と 5A のどちらの電流を流してもよいかを判別することができます。(訳注:e-Marker は、USB-C ケーブルの必須要件ではありません。)
またさらに上位機種として「アクティブ Thunderbolt 3 ケーブル」という USB-C ケーブルもあり、より高度でユニークな特徴を持っています。
このブログでは、この 2 点の特徴以外の部分にフォーカスして論じたいと思います。
なぜ技術仕様や転送速度が問題となるのですか?
それは、技術仕様や転送速度の差によって実はケーブルには物理的な違いがあり、結果として一見全く同じに見えるケーブルが、全く異なる動作をするからです。
USB 規格の公式な策定団体である USB-IF(USB 実装フォーラム )が公開している「USB-C 技術仕様書」の 28 ページでは、USB 3.2 Gen 1(5Gbps)または USB 3.2 Gen 2(10Gbps)に対応している USB-C ケーブルが、「全機能に対応した(”Full-Featured”)USB-C ケーブル」であると規定されています。
この「全機能に対応した USB-C ケーブル」には、USB 2.0 にしか対応していないケーブルに比べて、実は 10 本も多い内部信号ラインが実装されます(「USB-C 技術仕様書」68、69ページ)。
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